猿板

遊山黒子衆SARUの記録

危ない遊山石立山 起

kurokoshusaru2006-03-27

 今回遊山する立山は、
香美市旧物部村と徳島県の県境にある急峻な山で、
その急登は高知県一とも、四国一とも言われています。
 又延々と続く急坂は、
頂上まで標高差約1,200m行程4km以上の長丁場で、
脆く滑りやすい石灰岩の痩尾根の直登や、
迷いやすい道など、
この山にはいろいろな危険が潜んでおり、
四国の山で最も危険な山とも言われ、
今回の別府からの登りは上級者コースと言われています。
 現に遭難事故の発生も多く、
去年の遭難事故は、
登山道を外れて道に迷い、
山道付近から足を滑らせ、
百メートルも岩場横の急斜面を転げ落ち、
大けがを負われ、
さらに救助に向かった県消防防災ヘリが、
遭難者を引き上げる際に、斜面の樹木に接触し、
回転翼四枚すべてに損傷を受けたという事故にまで発展しています。

 でも、この石立山は危ないだけの山ではありません。
石灰岩の山である特性は、
他に見られない貴重な植生を育み、
世界中でここしか咲かない、
イシダテクサタチバナ(花期は6月中旬から7月上旬ごろ)や、
長く幻の花であったムシトリスミレなど、
珍しい植物を楽しむことができます。
 私はこの厳しく優しい山が大好きで、
毎年足を運んでおり、
今回は花の時期には早かったのですが、
今年も訪れることにしました。
 危ないのか、花の季節に早いのか、
別府渓谷の駐車場は、他に車はいません。
支度を調えていると、
植林の中から可愛いミツマタの花が覗いていました。