猿板

遊山黒子衆SARUの記録

御在所山冬枯れ遊山 其の二

kurokoshusaru2006-03-07

 登山口からしばらくは、小さな沢にそった、
里の人が作業で使っているって感じの道が続きます。
何もかも破壊して、
新たに人間に都合のよいものを作るではなく、
自然の中に人間が上手に関わっているっていうか、
私は、この様な道が大好きです。
 あまり傾斜を感じることなく登っていくと、
石垣が積まれて段になった植林地や、
沢の中からホースで用水を分岐してあったり、
いかにも里山って感じの気持ちの良い道が続き、
堪りません・・・。(苦笑)

 やがて第1の水場があり、過ぎると少し傾斜がでてきますが、
相変わらず、歩きやすい植林の中の道が続きます。
少しづつ傾斜が増していきながら、
淡々として登りは続き、
やがて第2の水場が現れます。
 しかし、植林の山にしては、なんて水が豊富なことか・・。
又、この水の美味しいこと!これには驚きです。
水場から上を見上げると、
窓の様に光が射し込でいました。
どうやら尾根が近いようです。

 やがてたどり着いた尾根には広場があり、
反対側からも山道が合流しています。
その広場を見下ろすように鳥居が鎮座し、
端の方には大きな土盛りがあります。
このコルは、まさに神社の境内で、
その土盛りは土俵の跡でした。

 その昔、この山を挟んだ集落の人々が、
祭りの際に、ここまで登り、
力自慢が相撲を取って神様に奉納していたそうで、
それは賑やかなお祭りだったそうです。
勿論若い男女の出会いもあったことでしょう。
又、境内の周りには大木があり、
この山への古くからの信仰を伺わせます。
 でも、今日は私達だけしかいません。
その山中の境内の静かな空間の向こうから、
先人達の歓声が聞こえたような気がしました。