猿板

遊山黒子衆SARUの記録

ヌル谷へようこそ 浸ること

バイケイソウ

 車と徒歩2時間半で原生林に居る。
そんな環境にある高知市に生まれて
本当に良かったと思っています。
◆山間の奇跡
 私達の居場所「ヌル谷のナロ」は
プレート活動の巨大な力で出来た落盤帯に
流れ込んだ沢が長い年月かけて土砂を運び
広い平坦地になった四国山地の奇跡の場所です。

この「ナロ」(平らな場所)には
ブナや沢胡桃、桂などの巨木達が枝を広げ
その森が造る心地よい空気に満ちていました。

◆冷まし浄化する
 葉の水が蒸発して出来る気圧差で
水を吸い上げ奪われる気化熱で空気が冷える。
木々は森に降り注ぐお天道様の力で
森を冷まし浄化して大地を守っています。

そんな樹木が造る扇風機と違う風と
クーラーと違う冷気は人の身体を癒してくれます。

◆癒される
 暑い稜線に向かう人たちを眺めながら
寝て、食べて、また寝て・・・・(笑)

もうここに何時間居たことでしょう。

日が傾き下山する人も居なくなり
そろそろ私達も街に帰る時が来た様です。

◆帰り道
 帰り道で西熊の森を振り返れば
山神様は虹を架け見送ってくれました。

 「いらっしゃいませ。」
物部川沿いにある行きつけの温泉で
湯船に浸かり見上げた空には

夏雲が空に朱色の絵を描いていました。
 「いい休日やったね。」 「ねっ!」
  台風を充ちくるものゝ如く待つ  右城暮石