猿板

遊山黒子衆SARUの記録

お猿の遊山 猿酒に酔うこと

大地へ還る

 森で輪になる仲間達が見える。
猿の居場所から大地へ
人の居場所に静かに降りて行く。
◆恵みのこと
 山が集めてくれた清流で
ビールを冷やし飯を焚く。

燃料も明かりも薪が賄ってくれる。
それは森が作り森に還るものばかり。

◆抱かれること
 ここは車と社会から離れた場所。
朝まで生き延びる野宿も
道具と技術が必要ですが
人間の力だけでは成し得ません。

そこに自然があればこそ
裸の猿は朝を迎えることが出来ます。

◆循環のこと
 いま目の前にある炎は
植物が蓄えた太陽のエネルギー。

人は火を操りお天道様を利用し
二酸化炭素と灰は森に還る。
その単純な事を繰り返している。

ましら
 何も減らさず何も増えない。
日本人の自然との付き合い方に
なにか安心を覚えるのは
遺伝子に刻まれた記憶の成せる事。

視線を変えれば新たな風景が見える。
森に浮かび空を泳いだ私の心は
とても軽くなったよ。おさむありがとう。
 あぁ、今宵の酒は格別だぁ。

                     一雫走るをなめて猿酒   辻桃子