猿板

遊山黒子衆SARUの記録

冬に入る讃岐遊山 栗林公園

                                                           

 「雨よっけ降りそうですから
     山は明日にしませんか」

 ろくべえさんの空読みで
今日の遊山が決まったようだ。

◆空を観る
 今回はKaoさんが練ってくれた
二つの計画のうち「雨の遊山」を
四人で歩き始めることとした。

   「雨もまた良しやもね」

香川県ホームページより
 栗林公園の平庭部の広さは
東京ドーム3.5個分にあたる約16.2㏊。
これだけでも大名庭園の中では最大級。

                 

背景となっている紫雲山を含めた面積は
東京ドーム16個分の約75㏊にも及び
文化財に指定された庭園の中では
日本一の大きさを誇ります。

 16世紀後半には地元豪族・佐藤氏の小さな庭でしたが
1631年頃にこの地を治めた生駒家の家臣・西嶋八兵衛によって
手掛けられた治水工事により広大な庭園の基礎が築かれました。

                 

庭造りは1642年から初代高松藩主・松平頼重にも引き継がれ
100年以上経た1745年5代藩主・頼恭の時代に完成以来
歴代藩主が修築を重ね明治維新に至るまでの228年間
高松松平家下屋敷として使用されていました。

◆祖先が至ったもの
 四方を海に囲まれた温帯にあり
柔らかい自然を味方と出来た祖先は
自然と祖先を神とし崇め生きて来た。

                 

その祖先はじぃ~と自然を見つめ
見定めて築いた文化は近年の発掘で
少なくとも石器時代5万年前まで溯り
世界最古であることが解り始めた。

その自然観察は現代科学も基本であり
自然に近づこうとする祖先の造形物は
現代美術も及ばない世界で最も美しく
その根幹にあるのは利他と感じている。

                 

◆雨には雨の遊山
 僕らも登山口に行って
その日の空を観て決めている。
それは平野部の天気予報では
複雑な地形の山は見えないから。

山頂、縦走の時期を終えた僕らは
山麓の美しさや優しさが見え始めて
本当に良かったと感じている。

                     

 ろくべえさんKaoさん。

 人生のながい坂を登り
齢を重ねてこそ見えてくる
風景があると思いますよね。

                  松の葉の地に立ちならぶ秋の雨  丈草