「誰もいないね」
標高約900mの登り口。
気温16℃はいい感じだろう。
お天気アイコンだけ見ればな。
◆登り口のこと
「河童天気予想はどう？」
登り口の空を覆う雲は
流れは遅いが明るくなり始めた。
今日は傘差しで大丈夫だろう。
僕らは後の天気を予測して
傘だけで大丈夫なら入山する。
撮影云々より楽しくないからね。
さあ 行くか！
◆林道のこと
「ヒンヤリして気持ちいい」
三辻山への山道は昭和の
廃坑に続く林道から始まる。
湿気が気持ちいいんだろうな。
「ミカエリソウ
実になっちゅう」
今年も見せてくれた美しい花は
命を繫ぐ実を結び営みを終えた。
そんな命らの変化を楽しむため
僕らは同じ山にかよいつづけ
風景はより深まり変化が見えて
多くの学びを得ることが出来た。
◆植林のこと
山道は昭和の林道を別れ
人が植えた杉檜の林を登る
山域主峰工石山登山道に入る。
「ジンジソウ咲いた」
山地の湿地に生じるユキノシタ科の多年草。
葉は掌状で秋頃花茎上に5弁の白花を開き
下の2弁が長大で「人」の字に似るが名の由来。
「花の端境期になったね」
山はお祭り紅葉期に入り
今年も行楽地に人が沢山訪れて
次の三連休がピークだろうな。
◆若い森のこと
薄暗い植林を抜けた山道は
自然休養林に公園整備された後
風や鳥が運んだ種が根を張り
共生した二次林に入った。
「ツツジも実になった」
オンツツジらは今年の実を結び
これから紅葉を見せてくれるだろう。
ツツジの紅葉は裏表の年ないよな。
「杖塚上がるろう」
特に今日は
雲読みが大切だからな。
秋の雨しづかに午前をはりけり 日野草城
