「この山桜も
楽しみにしてるんです」
山道は稜線に乗って程なく
忘れられた昭和に園地に至る。
◆赤良木園地
また花吹雪に会いたいな。
深山の北斜面にある
山桜の老木の開花は遅い。
頂上行こうや。
◆頂に出る
「いい天気やね」
春の陽射しと穏やかな風。
気持ちいい春空に飛び出した。
「静かですねぇ」
ここは土佐の低山だから
静かな風景をゆっくり楽しめる。
「ここなら笹ヶ峰が見える」
思い出が沢山つまった山。
今は遠くから眺めるのが
いいと思うがどうだろうか。
◆混生林に入る
「さあ森に帰ろうか」
穏やかな山頂から
三辻の森に分け入った。
三辻山の北斜面にある森は
自然に生えたブナと樫が並ぶ
暖温帯と冷温帯樹木の混生林。
「あそこは何か感じますね」
古い避難小屋で感じたこと。
静かな極相林で感じたことなど
今日も色んな経験を語り合った。
先人が不思議に感じた現象を
科学で解明されたものはあるが
解らないことが沢山あると言われ
まだ私達の知識は正しくないのだろう。
「最高の無駄遣い」って
こんな山歩きも
そうかもしれませんね。
かくれん坊の鬼を探しに春の山 鷹羽狩行