「かんぱ~い!!」
Y'sの目標とした雪中泊は
滅多出会えない天候に恵まれた
スノーピークで実現した。
◆山上の口福
私とY'sが幕営の間にtochikoが掘った
テーブルで早々に山上宴会が始まった。
冬の山頂は山麓から風が吹き上げるから
こんなことはとても出来ないことだ。
「石鎚山がはっきり見える」
人が泊まることは希だろうけど
太平洋まで見える眺望は他にない。
「2年越しの念願です!」
山高きが故に貴からず
ここは優しくて静かな山だよな。
「幸せです」
◆山上に庵を結ぶ
そろそろテントに入ろうか。
日が落ちたら急に気温が下がる。
お天道様とは有り難いものだ。
Y's亭 今宵の料理は「つくね鍋」
思う存分湯気立てるテントの中は
氷点下の山上でもいつも温かい。
「高知の夜景が見えるで」
寝袋に入ってどのくらい経ったろう
テントの外が明るくなって目が覚めた。
空を覆っていた雲が去り夜空に満天の星
そして半月と月光に浮かぶ雪稜があった。
「綺麗・・・」
しかし三脚を忘れた
私が記録できるのは
これが限界だった。。。(苦笑)
◆山上の夜明け
ぐっすり眠れた朝は
モルゲンロートで目が覚めた。
テントの外では月を背負って
tochikoが日の出を撮していた。
Y'sは言葉を無くしている。
ここまで長い道のりだったけど
頑張って歩いてきてよかったな。
「河童さん
tochikoさんありがとう」
この好天を下さった
奥物部の森の神々に感謝だな。
◆かえり道
昨夜のお鍋をおじやでさらえて
街に向かって元気に帰ってもうかね。
Y'sの雪女プロジェクトは
2年かけて1階の登りを終えて
重荷を背負って2階に上がり
また新たな階の登りが始まる。
「この白髪山の
高度感が大好き!」
Y'sは2年前共に歩きはじめて
「何でここまで?」と何度も思ったろうけど
僕たちがY'sに継ぎたいのは
「安全に頂に立つ術」だけじゃなく
「必ず生きて帰る山力」を身につけること。
まだ冬は終わる様子はなく
今年も寒暖繰り返し春に向かう。
さあY'sよ
次はどこに行こうかね。
ゆく道のあとさき照らす寒の月 山口誓子