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トレースがありません。
お二方の足跡を追ってきた
林道もここで進む道が分かれます。
無雪期なら
下からゴウゴウと滝の音が聞こえてくるのですが
今日は何も聞こえません。
足跡もなく
ただただ静かな山の中でした。
見上げると
山頂付近は風雪が強そうで
麓を選んで良かったと感じる時間でした。
「ガラ?!」
重そうな針葉樹の先で
確かに「チチッ・・ツーツー」と囀っていたような気がします。
人間はこのような装備で
やっと見上げているのになぁ・・。
冬を生きている静かな命の唄でした。
冬深し手に乗る禽の夢を見て 飯田龍太