猿板

遊山黒子衆SARUの記録

河童の日々遊山 巡り会う

                             

 山に行かない休日に
友人が営むギャラリーの
常設展示に会いに出かけた。

◆一期一会

 「今日オーナーは
      お休みです」

 私は友人との会話も
楽しみなんだが仕方なし。

◆残り物には福がある?
 失礼な言い方かもしれないが
私は「残りもの」に興味がある。
それは「値段交渉」などではなく

 「残った訳に価値はないか?」

                             

 例えば焼き物ならゆがみ
木の物なら年輪や漆の濃淡
吹きガラスなら曲がりなどなど
意図しない造形が現れるものもある。

それが個々の好みに合わず
残ったものにこそ他にない個性があり
現にその欠点(個性)に愛着が湧いて
長く使っているものが幾つかある。

                       

それは品質や形が揃った量産品にない
傍で経年変化も長く楽しむ事が出来る
お気に入りになるものもある様に思う。

◆四季折々

 「そろそろ鍋物やね」

季節変わりの設えも楽しいもの。
その季節に合わせ器を選ぶことも
日本料理の味わいに加わると思う。

                                                           

 食べて美味しい魚が500種もいて
その他にも四季折々の食材に恵まれる。

食材が単調な他国と比べるまでもなく
日本の食文化は質素でも豊かだ。

                             

その多種多様な食材や料理に
合わせる土、石、木の豊富な器達との
出会いも楽しめる日本人は幸せだろうな。

                  栗飯のまつたき栗にめぐりあふ  日野草城