猿板

遊山黒子衆SARUの記録

秋分に入る伊予国遊山 霧中

                                                           

 湿原畔のベンチでお昼にした。

ここは高地下水位地下構造で水が湧き
竜神平のみならず皿ヶ嶺全体に恩恵を与え
有枝川の源流で山麓にも恵みを与えている。

◆お昼時

 「芋炊きにうどんを投入します!」

 今回口福長Y'sが構えたのは
伊予の郷土鍋料理「いもたき」だった。

 里芋と鶏肉の懐かしい味がいいねぇ~♪

                   

◆寄り道

 「下りは私の好きな
    コースでいいですか?」

自然公園には色んな道がある。

 勿論 Y'sのかよう山だから。

 帰り道は杉檜の人工林に入る。
ここが自然公園に指定される前に
当時の営林署が植えたものだろう。

 「雲が流れてきた」

           

戦後は建材供給が主な役割だったが
社会は安価な外材にシフトし役目を終え
今は国有林の保続培養にシフトしている。

◆雲と下る
 帰り道は山頂は登らず
皿ヶ峰の北斜面を下り再び
自然が根を張る森を下った。

 「これはヒラタケ?」

 これは有毒のツキヨタケ
幼菌の誤食が多いキノコだが
目が慣れたらすぐ解るよ。

                             

 「これは大丈夫で」

食感の良いヌメリツバタケモドキ。

 でもリリースサイズだろう。

 こんな地面に着いていない
倒木の裏にいい茸が生えるけど
傘が開く前に採ってはいけない。

                 

◆かえり道
 木のシルエットがえいやいか。
これも今日の一期一会の風景だろうな。

 「私も好きな風景です」

 そうだ。
晴れ間ばかり狙っては
この風景には出会えない。

                             

 自然相手はずっと空を観ていて
行き先を決めても駄目な時もある。
ただ諦めず臨機応変で道を探すこと。
それが自然と共に生きる事だと思う。

 今日はこの日この山でしか
観られない一期一会に出会えたな。

 さてY'sよ
   次はどこに行こうかね。

                 見えざれば霧の中では霧を見る  折笠美秋