猿板

遊山黒子衆SARUの記録

晩夏の三辻山遊山 遠い雷

                             

 昭和42年全国初の
自然休養林に指定され
工石山の広場として
整備された杖塚に上がる。

◆空を観る
 この山域に入るときは
工石山の南斜面の開けた
空の様子をここで観ている。

 風向きは西からだな。

 ここに植えられた草木たちも
夏の花が咲き春の花は実を結び
今年も正確な暦を刻んでいる。

 さて 赤良木に下るか。

                            

◆峠に下る
 気圧配置の風、雲の動きは海水温で
1週間単位は割と正確に計算できるが
一月過ぎれば地軸がずれてくるため
長期予報が外れるのは仕方がないこと。

特に梅雨は1~2ヶ月位の大きなものなので
晩春から盛夏まで緻密に計算しないと解らず
1950年から「観測史上最短の梅雨」と言われる
今年の「梅雨明け」が正確だったかまだ解らない。

                             

日本では梅雨の長短や低温などによる
江戸時代の飢饉は6年に一度位があったが
気象学の「異常」は30年程度とされている。

 「風が涼しくなったね」

◆雷のこと
 峠に出る寸前で南で遠雷が鳴った。
おそらく高知市内に発生したものだが
私達は寒気側にいることは確かな様だ。

 今日はここで終わりにしよう。

                             

雷雲の移動速度はその時々で違うが
時速10~30km位で移動することが多く
また雷雲は数キロの広がりをもっていて
端にいれば遠雷が急に頭上に来る恐れがある。

◆かえり道
「登山で引き返す時」を問われたら
私は「怖いと思ったとき」と答える。

 私達程度の登山は
命をかけるものではない。

                                                   

 そうだよね。

 「朝は止んでましたよ」

山は来てみないと
   解りませんものね。

 頂きます。

                                           

遠雷のいとかすかなるたしかさよ  細見綾子