猿板

遊山黒子衆SARUの記録

夏へ移ろう三辻遊山 緑さす

                             

 「まだやねぇ。。。」

tochikoが見たかった山桜は
芽を膨らませる様子はない。

 「去年は5月中頃やった」

◆三辻の山桜
 標高が1000mを越える
稜線の北側にある山桜の
開花はまだ先のようだった。

 また次の楽しみやな。

◆山頂に立つ
 山頂直下の赤良木園地から
標高1108mの山頂に上がった。

                             

 「太平洋やぁ
    島がないわぁ」

 瀬戸内海と違うからなぁ。
この眺望も土佐ならではかな。

 さあ 森へ帰ろうか。

◆自然混生林
 温暖な土佐の標高1000m。
この環境が日本ではここしかない
暖温帯と冷温帯樹の混生林を育てた。

     

2週間前まだ芽吹きだった森は
若葉を開いてY'sを迎えてくれた。

 生まれたばかりの葉は
日光を透かし空気も新緑に染める。

                            

 風に揺られる若葉は
森を舞い飛ぶ蝶の様に見える。
芽吹きと共に春の喜びがあふれる
この頃の森が最も美しいと感じている。

◆森の中のもう一つの森
 tochikoが鳴らす鳥笛に答える
姿の見えない鳥の囀りも増えた。
けれども鳥たちは子育てに入ったのか
藪や木の上から囀りが聞こえる様になった。

                 

 この森のまほらに入り
囀りに囲まれても姿は見えない。

でも私は姿ではない囀りこそが
鳥の本質のように思いはじめた。

                 

新緑の風にゆらるるおもひにて  飯田蛇笏