杣が架けた橋を渡って
白髪山からカヤハゲに入る。
年間降雨量全国1位の高知県は
河川も多く渓は無数に流れている。
◆渓を渡る
その雨水は渓を下り土砂を運び
広大な山麓を形成し多くの命を養い
高知の植生は亜寒帯から暖温帯まで
3,170 分類群も日本一の数となる。
◆まほらに入る
長笹谷が深く削り込んだ
急峻な斜面を山道を這い上がる。
かつてこの斜面も笹が覆っていた。
人の活動により追い込まれた
鹿たちにより下草を失うまで
この森も植生の宝庫だった。
「30年過ぎたがやねぇ」
その豊かで美しい命達こそが
山頂を目指す私達の足を止めた。
◆ヌル谷のナロ
急斜面を終えた山道は
ヌル谷に添って平坦になり
この森のまほらに分け入る。
「バイケイソウは変わらんね」
鹿が嫌うが故残されたバイケイソウも
かつては花咲く前に虫に食い尽くされ
その虫がまた多くの命を養っていた。
そんな深山幽谷の森から今までの
変わる様子を見て来られたことも
私達の貴重な体験となったのだろう。
◆沢を登る
久しぶりに渓を登ろうか?
何だか今日はそんな気になった。
「20年ぶりやね」
あっという間やなぁ。。。
かつてこの渓は水量豊かで
サンショウウオも棲んでいて
様々な茸も沢山生えていた。
ヌル谷は源流点となる
tochikoの森の母の根元に上がる。
「ここだけは変わらんね」
さゞれ蠏(がに)足はひのぼる清水かな 芭蕉