陽が高くなり陽射しが変わり
芽吹く前の細かい枝の全てが輝く
この時期だけの美しい一期一会。
◆春の光
去年はこの頃満開だった
tochikoが期待していた山桜は
まだ芽が膨らむ様子もなかった。
「まっいいか!」だな。
◆鳥の羽
登り口から聞こえていた
囀りがこの谷間で近づいた。
「見て見て!コガラ!!」
いつもと違う囀りは
この時期ならではの賑やかさで
命を繫ぐ相手を呼び盛んに飛び回る。
お!目が合ったな。
これはお前のものか?
この頃は争いもあるろうね。
◆谷の奥へ
標高1700m峰北の急斜面にある
林道は山域の主峰に続く稜線に迫る。
山に降った雨が集まり下る沢水は
雪解け時期としては少ない様だが
涼風も運び汗を掻くことなく快適だ。
渓を挟む両側の山が迫り
古の峠に続く道を別れ渓へ下る。
◆渓へ下る
この渓へ下る道から
私達が通う奥物部の森に入る。
「土が流れて
保水力が落ちたろうねぇ」
やはり長笹谷の水量も少ない。
こんな年もあるだろうが
この後日本に迫る寒気と台風が
この森に何をもたらすのだろう。
鳥の羽に見初る春の光かな 樗良