「ザックを立てかて休む
道標が綺麗に埋まったね」
鞍部最深部にある昭和の道標。
ここで積雪は腰を越えていた。
◆吹溜ること
山は地形により風が変わり
雪の積もり方も違って来るもの。
今回は昼食を摂ることに加えて
朝まで生き延びる方法を実践した。
◆ビバーグのこと
道迷いや天候悪化などで帰れなくなり
緊急的に野営することをビバーグと呼ぶ。
まず基本は小型テントを使う方法。
昨今素材の進歩により小さく軽くなった。
次に雪面に穴を掘って凌ぐ雪洞。
高さ1m奥行き1m50cmの横穴を掘り
入口をツエルトなどで塞いで一晩過ごす。
今日は最低限の「半雪洞」を掘った。
「意外!暖かいですね!!」
1.5mは足を伸ばすために大切で
どちらも体を保温する防寒着と
地の寒さを防ぐマットなども必要だ。
◆口福のこと
お昼は積雪にテーブルを掘った。
これは膝までの雪とスコップで出来る。
さ~っ 飯にしょうや!
今日も料理長はY'sで煮込みラーメン。
雪景色の中で思う存分湯気を立てること。
運動したから消化の良い麺類がいいと思う。
「あぁ~
何という贅沢な時」
道具と経験あればこその
ご褒美なんだろうなぁ。
◆かえり道
今回は寒気の最前線に登って
Y'sには良い経験になったと思う。
シュカブラ、吹溜り、雪の質や層など
大切なのはそこに行って体験すること。
真実は「行って見て感じた」ことで
その「現象」を見て行動するのでなく
「現象」を見て「源流」を考えること。
そして生きることを諦めないこと。
そんな自然観察はもとい
害獣駆除、SDGs、コロナを唱える方々も
そうであって欲しいと思う。
私達の装備は「オーバースペック」
昨今の危険箇所を素早く通過するための
ライト&ファーストを決して否定はしない。
ただ大切な人生の一時を自然の中に入る行為で
命と人生がライト&ファーストになっては本末転倒だ。
「斜陽の風景も綺麗なね」
今回は私達の学びにもなったよ。
ありがとう。
また重い荷物をよいしょと担いで
おっかなびっくりドキドキしながら
共に絡合の自然の中に分け入ろうな。
美しき生ひ立ちを子に雪降れ降れ 村上喜代子