猿板

遊山黒子衆SARUの記録

冬に入る三ツ辻山遊山 冬の鳥

                             f:id:kurokoshusaru:20211114162731j:plain

 「なかなか晴れんね」

 山は気圧差があるから
下界の天気予想とは別のもの。

 杖塚上がろうや。

◆杖塚
 休養林の広場で一休みする。
この時上空の雲は南より流れて
大洋の高気圧が押す様が見えた。

f:id:kurokoshusaru:20211114162826j:plain

◆赤良木峠
 来た道を引き返し
古の峠道に入り峠に下る。

                  f:id:kurokoshusaru:20211114162907j:plain

 山道は標高約950mにある
かつて城下と本山郷を結ぶ峠に出る。
ここはドロマイト採掘により視野が開け
北には遠く石鎚山を望むことが出来る。

f:id:kurokoshusaru:20211114162943j:plain

 「海が光っちゅう」

 南に広がる太平洋は斜陽に輝き
海から流れ来る雲の隙間に向かい
短い鳴き声をあげ一羽の鳥が飛翔した。

      f:id:kurokoshusaru:20211114163026j:plain

◆近道
 一旦峠道を離れ
植林作業道を使う近道に入る。

f:id:kurokoshusaru:20211114163136j:plain

杉が高く育った単調な風景にも
僅かな陽射しで生きる命の色がある。

                             f:id:kurokoshusaru:20211114163249j:plain
f:id:kurokoshusaru:20211114163323j:plain

 林に陽が射しはじめた。
林床に笹が現れれば稜線は近い。

f:id:kurokoshusaru:20211114163413j:plain

                     冬の鳥光の粒となつて去る  仙田洋子