登山口にはそこそこ車はあるが
いつもの登り口は私達だけのようだ。
ぽっかり開いた空は晴天だったが
高層絹雲は天気の変化を告げていた。
◆分け入る
登り口の気温は先週と変わらず9℃
今年も順調に冬が下っているようだ。
さて 行ってみるか。
◆山を観る
「染まっちゅうねえ」
ここの紅葉は去年と同じ位だな。
海に囲まれた日本は海水温に影響を受け
その年々で変わるのは決して異常ではない。
「上は終わっちゃうね」
西熊山と手前がカヤハゲ尾根。
南斜面は1600mまで終わっていて
今日染まっているものは来週はない。
◆樹を見る
「ここは落葉の道」
今年痛んだ葉は紅葉前に落とす。
これらは微生物により土壌となり
川に流れたものは海の命も養う。
「綺麗に染まっちゅう」
サトイモ科テンナンショウ属の植物。
東アジアを中心に分布し地下に球茎を有し
特徴ある仏焰苞に包まれた肉穂花序をつける。
「干しぶどうになったね」
山地に生えるブドウ科の落葉蔓性木
山葡萄の実で直径約八ミリの球形液果が房状に垂れる。
十月ごろ黒く熟すが酸味が強く果実酒などに加工される。
植物は「炭素」を空気中から取り出し
全ての生き物を養ってくれる命の源。
残花もいいよな。
◆兆しを見る
「風が澄んできたねぇ」
今年も大陸の寒気が訪れ
空気が冬のものに変わってきた。
樹々が落葉を始めると風が抜け
その風により木は樹皮の更新を行う。
風力発電はそれを考慮して欲しいと思う。
満山の紅葉もよいが
私は紅葉の合間に落葉し見え始めた
樹が白く枝を延ばした姿も好きだ。
それは祖先の記憶だろうと思う。
落葉踏む山は見えねど山の中 見學玄