猿板

遊山黒子衆SARUの記録

三辻山寒露の遊山 霧の中

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「曇りやき閉じちゅう」

リンドウ科の多年草の花。
鐘状で先が五裂した青紫色の花は
秋晴れの空の下でひときわ美しい。

◆稜に乗る
 竜胆は雨や曇りは開かない。
それをどこで見ているのだろう。

山道は山群を結ぶ稜線に出る。

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◆赤良木園地
 峠から登った近道は
三辻山の登山道に入り
頂上直下の忘れられた
昭和の園地に至る。

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「シラキが染まっちゅう」

 気の早い木が紅葉していた。
この樹種による時期の違いも
遺伝子に刻まれたものだろう。

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◆混生林
 標高約1100m三辻山の森は
アカガシとブナが並んで生える
暖温帯と冷温帯樹木の混生林で
正に遺伝子の宝庫とも言える。

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全ての生物は遺伝子情報だけで
生涯を全うすることが出来るが
大脳が発達しすぎた人間は
遺伝子情報が見えなくなった。

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加えて親は語学が堪能であっても
子は日本語も解らず生まれるなど
大脳はその代限りの情報で終わる
「情報を継げない」欠点がある。

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◆森の中のもう一つの森

 「赤が目立つ様になった」

山地に自生するミカン科の常緑小低木。
4~5月頃芳香のある白色の花を多数つけ
果実は晩秋赤熟して美しい。有毒。

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 森の最も深いところに近づき
姿の見えない鳥の囀りに囲まれた。

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いまの科学でも人の遺伝子の9割が
何をしているのか解っていない。
しかしその情報の中に自然と絡合する
伝達手段があると私は思っている。

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                  見えざれば霧の中では霧を見る  折笠美秋