山腹を巻いて登る山道は
標高1500mを越え橅の森を抜けて
剣山の弟峰となる次郎笈が現れる。
◆黄に染まる
山道はダケカンバの森に入る。
カバノキ科の落葉高木。
シラカバに似るが樹皮は淡褐色。
亜高山のシラカバより高所に生ずる。
◆赤く染まる
山道は西島尾根に乗り
一旦森を抜け笹原に出る。
「今年は当たりやね!」
ここから上の赤色は
カエデとナナカマドの赤色。
見事に染まったなぁ。
さあ山の秋祭りが始まった。
これから紅葉は一雨毎に山麓に下る。
一休みしていこうや。
「お~ 来たかよぉ」
「忙しくなりますね」
よかったですね。
◆紅葉(もみじ)
この日いつもの直登ではなく
錦色に分け入る大剱道を取った。
見事な錦色を見せた剣山の樹々。
この美しさを伝える言葉を私は知らない。
秋の夕日に照る山紅葉
濃いも薄いも数ある中に
松をいろどる楓や蔦は
山のふもとの裾模様
渓の流に散り浮く紅葉
波にゆられて離れて寄って
赤や黄色の色様々に
水の上にも織る錦
作詞 高野辰之 作曲 岡野貞一
*1998年著作権消滅
かざす手のうら透き通るもみぢかな 大江丸