北四国を四国山地に添って
縦断した台風14号は速度を上げ
週末は台風一過の晴天が期待できる。
◆空を観る
東に進む台風を囲む高気圧から
暖かく湿った空気が流れ込み続け
四国太平洋側に局地的な大雨を降らせ
奥物部の森も少なからず雨雲が進入した。
14号は進行方向に厚い雨雲を持ち
まず雨が降りはじめ次第に強くなり
通過後も雨は残り風が強くなる。
やはり稜線は避けた方がいいだろう。
◆川を遡る
台風が足早に駆け抜けた週末
Tommyさんと奥物部の森を訪れた。
「濁っちゅうね」
物部の山より出流物部川
思ったより降ったようだ。
国道から観る奥物部の森は
台風通過後に巻き返す雲を
東西並んだ高峰が止めていた。
◆寄り道
雨上がりを待った遅い出発で
馴染みの峠の食堂に立ち寄れた。
「今日は泊まるがぁ?」
山には上がらず森で宴会をね。
「そりゃぁえいねぇ」
物部川を別れ上韮生川に入る。
大栃から見える奥物部の綱附森は
雲底の明るい雲の下にあった。
えい感じかも。
◆山に入る
川辺に秋色が見えはじめた
山間県道に沿う上韮生川は
水嵩を増し土色に濁っていた。
最深集落の咲き始めた彼岸花と
緑の柚玉にも季節の移ろいを感じる。
「けっこう
降ったがやね」
里から森に入る橋を潜る渓水は
ゴウゴウと音をたて下っている。
さあ台風一過の奥物部の森は
どんな風景を見せてくれるだろう。
台風を充ちくるものゝ如く待つ 右城暮石