猿板

遊山黒子衆SARUの記録

処暑に入る三辻山遊山 秋の蟬

                                                                   f:id:kurokoshusaru:20210825181946j:plain

 深山樒が今年の実を結んだ。

山地に自生するミカン科の常緑小低木。
4~5月頃に芳香ある白色の小さな花をつけ
果実は晩秋赤熟して美しい。 有毒。

◆兆すこと

 「ホントここは多いね」

よほどこの場所を気に入ったのか。
他にも群生場所を知ってはいるが
これほどの規模はないなぁ。

f:id:kurokoshusaru:20210825182049j:plain

◆巡ること
 山道は北巻きから南巻きに入る。
幾つかのプレートがぶつかる日本は
隆起し降雨が多く複雑な地形となり
辿り着いた種が生きる場が多くある。

                             f:id:kurokoshusaru:20210825182137j:plain

 「秋の花が咲き出したね」

特に四国の急峻な南斜面は雨も多く
日本一多様な植生が広く分布していて
土佐は「植物の宝庫」とも言われる。

f:id:kurokoshusaru:20210825182215j:plain f:id:kurokoshusaru:20210825182249j:plain

◆移ろうこと

 「河童予報大当たり」

 南巻きに入り雨が降りはじめた。
山道には今年生まれた落葉が敷かれ
また土壌となり次世代の肥やしとなる。

                                            f:id:kurokoshusaru:20210825182421j:plain

 「街でクマゼミ聞かんね」

ここでは秋の蟬が鳴き始めていたが
そう言えばお盆頃から喧しいほど鳴く
街のクマゼミを今年まだ聞いていない。

f:id:kurokoshusaru:20210825182547j:plain

 蟬もそれぞれ天を観ている。

 そんな年もあるだろう。
よさこい祭りが無かったようにね。

                                     f:id:kurokoshusaru:20210825182627j:plain

 「お蕎麦は休みや
     コロナもあるしね」

遂に雨は激しく降りはじめた。

 これじゃお客さん来ないしね。

f:id:kurokoshusaru:20210825182727j:plain

                  秋蝉のなきしづみたる雲の中  飯田蛇笏