深山樒が今年の実を結んだ。
山地に自生するミカン科の常緑小低木。
4~5月頃に芳香ある白色の小さな花をつけ
果実は晩秋赤熟して美しい。 有毒。
◆兆すこと
「ホントここは多いね」
よほどこの場所を気に入ったのか。
他にも群生場所を知ってはいるが
これほどの規模はないなぁ。
◆巡ること
山道は北巻きから南巻きに入る。
幾つかのプレートがぶつかる日本は
隆起し降雨が多く複雑な地形となり
辿り着いた種が生きる場が多くある。
「秋の花が咲き出したね」
特に四国の急峻な南斜面は雨も多く
日本一多様な植生が広く分布していて
土佐は「植物の宝庫」とも言われる。
◆移ろうこと
「河童予報大当たり」
南巻きに入り雨が降りはじめた。
山道には今年生まれた落葉が敷かれ
また土壌となり次世代の肥やしとなる。
「街でクマゼミ聞かんね」
ここでは秋の蟬が鳴き始めていたが
そう言えばお盆頃から喧しいほど鳴く
街のクマゼミを今年まだ聞いていない。
蟬もそれぞれ天を観ている。
そんな年もあるだろう。
よさこい祭りが無かったようにね。
「お蕎麦は休みや
コロナもあるしね」
遂に雨は激しく降りはじめた。
これじゃお客さん来ないしね。
秋蝉のなきしづみたる雲の中 飯田蛇笏