山道は杉の林からはじまる。
この人工林は山頂付近より出流
谷に切れ落ちる斜面にあって
谷風が吹き上がり気持ちがいい。
◆分け入る
この時杉林を覆う雲は薄く
雨は小降りで傘で衣服は濡れず
女性たちの会話も弾んでいた。
「この梅雨の檮原は
雨が少ない言いよったき
これで助かったと思うでぇ」
◆雨の山道
固い石英が多く高く残った
独立峰の梶ヶ森は山道に苔や
木の根が露出した箇所が多く
雨に濡れると滑りやすくなる。
雨の山を歩くときは靴が大切で
靴底がある程度柔らかくしなり
ソールパターンが深いものを選び
身体の中心真下に着地すること。
◆滝へ下る
「急な下りは
腰を引かれんでえ」
tochikoが滝へ下る山道で
経験の少ないモッチさんを気遣う。
滑りやすい坂道を無事下り
龍王の滝を祀る祠に降りた。
◆しぶき舞う
頂上付近より湧きだした水が
巨大な岩を削り落差20mを下る
日本の滝百選になった龍王の滝。
「涼しいですね!」
蛇に化身した娘が棲むと言われる
深山の滝は飛沫を上げて迎えてくれた。
天然のミストシャワーやね。
拝みたる位置退きて滝仰ぐ 茨木和生