先週の三辻山の山桜と同じく
tochikoが追うもう一つの深山の花
森の母の開花に会いに分け入る。
◆森のこと
この森は人口増加に追われた
鹿が集まり姿を変えてしまったが
森の母は昔と何も変わっていない。
「また土が流れたね」
でも 土は毎年積もって
日本の平均は1年0.11mm
10年で1mm百年で1cm積もる。
自然の暦で百年なんて一瞬だ。
◆Mother tree
「咲いちゅうで!!」
森の母の開花に間に合った。
ヌル谷の源流に辿り着き
300年生きていると言われる
栃には森の主の威厳を感じる。
「落としはじめゆう・・」
風が吹くたび大地に落ちる橡の花。
この美しい造形が
でたらめな突然変異で
出来たと私には思えない。
これでtochikoの花巡礼は万行やな。
花吹雪を心に留めているうちに
雲が開き木洩れ日が射してきた。
そろそろ帰ろうか。
◆かえり道
同じ樹を追いかけて
同じ山に何度通っても
同じ風景だった記憶はない。
それは毎年隆起し災害も多く
年間8千億トンの水や雪が降る
島国日本の森も樹も草も動物も
少しずつ変化して生きてきた。
そんなダイナミックとも言える
日本の自然を祖先はじっと観察し
恵みを得て寄生する術を見出した。
それは今唱えられている
「自然保護」や「環境保全」と違う
本質を見据えた絡合だったと思う。
次は暑くなる前に
谷を追って上がってみるかな。
「そうそう
よぉけ雨が降ったで」
それが物部でねぇ (^_^)
空の音空にて消ゆる栃の花 正木ゆう子