谷を囲む山が迫り日照が短い樹々も
今年の葉を出し終えて緑が濃くなり
林道は終点に近づき空気が変わる。
◆渓へ下る
古の峠道に続く林道を別れ
長笹谷へ下る山道にはいった。
昨日の雨で水量を増した谷から
ゴウゴウと水が下る音か聞こえる。
◆長笹谷
私達が通った30年にも
幾度か土石流に吞まれた谷へ降りた。
源流に近い渓の濁りは少なく
土石流も雪崩も必要な自然現象で
これが今日の一期一会だろう。
河原で一息つけたのち
橋を渡りカヤハゲに入る。
水の流れが早いと
渓風は涼しくなるなぁ。
◆カヤハゲを登る
ドウドウと落ちる百間滝
迫力あり過ぎじゃない(苦笑)
長笹谷を渡り
カヤハゲへを登り返した。
対岸に見える
歩いてきた白髪山の山懐が
雨上がりの澄んだ空気の中
薄雲が透かす光でいい感じだ。
長笹谷の支流となる
ヌル谷に入り急登が終わり
この森のまほらが見えてくる。
◆森のまほら
「水が増えちゅうね」
普段伏流している箇所も
流石に今日は流れていた。
花期に入るバイケイソウの
殆どは虫に食われ枯れていた。
「まあこんな年は
何度もあったよね」
人間が考えるほど
自然は弱いものでないことを
私達はここで感じ学んできた。
さてお目当てに
行ってみようかね。
此あたり目に見ゆるものは皆涼し 芭蕉