山頂は北斜面から
風が吹き上がっていた。
汗も引いたし森に下ろう。
◆自然の森
三辻山北斜面を回る山道は
自然に生えた木々に囲まれている。
「やっぱりいい山だわ」
土の感触が気持ちいいですね。
この日高木はまだ早いが
中低木の若葉が輝いていた。
◆調和する森
35億年前誕生した単細胞生物が
10億年前なぜ多細胞生物になったのか。
例えば人間は一つ一つが独立した
40~60兆個の細胞で出来ている。
また近年発達した遺伝子解析で
人間の遺伝子の半分ほどは
体内にいるウイルスや腸内細菌の
遺伝子である事が解ってきた。
ではなぜそうなったのか。
自然は「環境に優しく」などと弱くはなく
過去全球凍結などダイナミックな変動を起こし
生物は大絶滅を繰り返したことが解っている。
◆絡合する命
その荒ぶる地球環境のなかで
命は多細胞生物となり更に群を作り
助け合い生きて来たとの説が私は腑に落ちる。
自然は個々に考えたことでは調和が取れない。
それは土中の微生物から植物、動物から天気まで
全てが持つ遺伝子が絡合し調和を保っているが
大脳(個)を発達させた人間はそれが見えなくなった。
肉食動物が草食動物を食べたいだけ食べたり
厳冬期に生きる兎や群で移動する鳥などが
生き残る行動は個々で考えて出来るものでなく
淘汰されたのは「利己の命」ではないかと考える。
◆命の森
もう一つの森に入り
山の鳥の囀りに囲まれた。
鳥たちの鳴き方も変わって
子育てに入ったことを知る。
「アケボノ咲いとる」
もう一つの森を囲む大岩の上。
気づきませんでしたよ。
「やっぱり岩の上だわ」
これだけ通っても気付きがある。
まだまだ底は見えないようですね。
濃く薄く奥ある色や谷若葉 太祇