猿板

遊山黒子衆SARUの記録

寒の内の峠道遊山 冬の霞

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 低気圧が発達しながら
北日本を通過し日本海側の各地は
雪や雨が降り風も強まり荒れた天気。
太平洋側も天気が変わりやすい。

◆空を観る
 偏西風を挟み暖気と寒気が押し合い
この日気温が上昇しても山は雨か雪
翌日晴れても山は強風と気温急降下する。
その後の気温上昇がこの冬のキーワード。

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 と言うのは次の節は大寒
まだ寒波は収まらないのが普通で
この週末の後寒波が大雪をもたらせば
今の積雪層が弱層となり雪崩を誘発する。

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◆落ち合う
 寒波の前の小春を狙って
山の盟友ろくべえさんご夫婦と
奥物部の森にある古の峠道を訪れた。

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 香美市で二人と合流し
物部川を溯り源流を目指した。

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 「山は雨ですかね」

午前中には回復に向かいますよ。

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◆変わるとき
 R195から山間県道に別れ
旧物部村中心部大栃の町に入り
雲が明るくなりはじめた。

「昨夜は雨だった様ですね」

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 「綺麗なねぇ!」

 霞は春の季語だが
冬に寒気と暖気が押し合い
この様に発生することもある。

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◆分け入る
 山里の雪は溶けてなくなったが
奥物部の森から出流上韮生川は
それほど水位が上がっておらず
今回山は雨が少なかった様だ。

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 流石にこの天気予報では
三嶺光石登山口に車はない。

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 私達に驚いて谷側に下った
子鹿を心配した母鹿が逃げず
じっと谷を見つめていた。

 ごめんよ すぐ行くきね。

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そんな静かに変化の時を迎える
奥物部の森はどんな風景を見せてくれるだろ。

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                    母遠し卯辰の山の冬霞  沢木欣一