今回ワイズさんが履いた
山道具の12本爪クランポンは
積雪下層の圧雪や凍結対応のためで
今より深くなるとスノーシューを履く。
◆分け入る
誰もいない登り口気温－6℃。
四国の標高1000mでは平年並みで
私達にとってはちょうどよい気温。
積雪は20cmでアイゼンがよく効く。
歩き出したとき奥物部の森の主
西熊山はまだ厚い雪雲の中にあった。
風も強そうだな。
◆歩くこと
いつもの林道の積雪は
前回ワイズさんと訪れた時の2倍で
下層は低温と風により板氷となり
吹溜りで靴がすっぽり隠れる程度。
生物は低い温度に熱を逃がして
運動する「エネルギー」を得ていて
生きている樹も若干ではあるが
放熱し根元の雪を溶かすこともある。
夏の発汗は外気温が高いためで
逆に冬は発熱した体温を放熱し
冬山など寒いところでの運動は
エネルギー消費が増しお腹が減る。
◆着込むこと
また冬山は風による「冷え」
降雪による「濡れ」を防ぐため
上着（シェル）を羽織るため
放熱がこもり発汗する事が多く
下着、中間着、上着と組み合わせ
体感気温の調整を行い蒸れと汗を
中間着に吸い上げ肌から離して
蒸発させる重ね着が有効となる。
◆水のこと
「下まで繋がっちゅうで」
前回より５℃低いからなぁ。
夏場ポタポタ落ちている谷水が
見事な氷瀑となって迎えてくれた。
強い寒波が訪れた森は
どんな風景になっているだろう。
「雲が開いてきたね」
ワイズさんは晴れ女って
言っていいんじゃないかなぁ。
流れたき形に水の凍りけり 髙田正子
