猿板

遊山黒子衆SARUの記録

冬至に入る奥物部遊山 雪山

                       f:id:kurokoshusaru:20201222163342j:plain

 長笹谷の支流ヌル谷が造った
標高約1290m平坦地(ナロ)に上がる。
ここは私たちが30年通う森の居場所。

◆ヌル谷のナロ
 ナロの東屋でザックを下ろす。
冬山は発汗を抑えるためこまめに休み
身体が冷えないよう短い時間で終える。

f:id:kurokoshusaru:20201222163501j:plain

ナロに来て積雪は10cmになる。
私の今までの経験で四国の高峰は
1000m、1200m、1500m、1800m
毎に雪質が変わる様に感じている。

                             f:id:kurokoshusaru:20201222163615j:plain

◆分け入る
 ナロを発ち雪が増え雪質は軽くなった。
この雪のコンディションを覚えることも
ワイズさんにとって大切な体験となる。

f:id:kurokoshusaru:20201222163711j:plain

今冬奥物部の森は気温が低いまま
今まで雨や陽射しを受けていないため
雪は居場所が定まらず風で動いている。

                                         f:id:kurokoshusaru:20201222163935j:plain

 「これがあの樹ですか!?」

ヌル谷の源流にいるtochikoの森の母が
葉を落とし冬の眠りに入った姿もまた美しい。

f:id:kurokoshusaru:20201222164146j:plain

◆雪の登り方
 母の樹を越えると雪は
靴高に迫り軽いラッセル歩きとなるが
雪はサラサラでワイズさんのデビューに
ちょうど良いコンディションだった。

                             f:id:kurokoshusaru:20201222164316j:plain

この日は登山靴のまま歩く「ツボ足」。
特に新雪はひざ下までならツボ足で
ひざ上になると体力や時間を浪費するため
スノーシューやワカンの出番となる。

f:id:kurokoshusaru:20201222164424j:plain

 「綺麗ですねぇ~」

雪山への不安が溶けてきたようだ。
でも油断をしてはいけない。

f:id:kurokoshusaru:20201222164521j:plain

◆冬道に入る
 山道が尾根筋に交わり
雪崩など積雪によるリスク回避ため
南斜面を横切る夏道を離れ冬道に入る。

f:id:kurokoshusaru:20201222164639j:plain

この稜線に上がる直登や緩斜面も
雪登りの基本「キックステップ」を使う。

                  f:id:kurokoshusaru:20201222164725j:plain

膝中心で後足の膝を前に出す動作と
体重移動と靴自体の重さを活用し
疲れないために出来るだけ
1回でステップを切ることが大切。

f:id:kurokoshusaru:20201222164823j:plain

一旦蹴り込んだらステップを
崩さないために足をずらさないこと。
堅雪の場合には力を入れて
振り子式に蹴り込む必要もある。

                             f:id:kurokoshusaru:20201222164915j:plain

 急登を終え稜線に立つ。
ここからは優しい道だから
自分の好きな道を歩いていいよ。

f:id:kurokoshusaru:20201222165007j:plain

                  雪山のかへす光に鳥けもの  木村蕪城