今年の大栃の恵に
はしゃいでられるのも
今日の目的地が近いから。
◆深く分け入る
ここからは山毛欅など
亜寒帯植生の領域となり
秋の恵みが更に期待できる。
おったおった!!
担子菌類のきのこ。
樹の幹につき橙赤色で鱒の切身に似て
特に若いものは食用となる。
◆山懐に入る
三嶺への登山道を離れ
カヤハゲの山腹につづく
古の杣人道に分け入った。
この道はフスベ(炭焼き)の道で
水が豊かな南に向いた森にあり
掘立小屋を建て長くこの森に居座り
炭を焼いていたと物部の杣に聞いた。
「これはケヤキですか」
いやこれも栃の木。
ここは幾つかの谷が流れて
栃や欅など水を好む木が多い。
◆奥物部のまほろば
私たちのまほら辿り着く。
この清水流れる谷間の緩傾斜地は
谷が狭まった迫(サコ)にあり
ケヤキザコと杣達に呼ばれていた。
サコには釜の石積や陶器など
杣の置き土産が今も残っている。
「お酒入れてたのかな」
ここが今宵の寝床。
一杯やって構えをするか。
◆山仕事
まずやることは薪拾い。
焚火は人が調理し暖を取るだけでなく
自然が人に託した大切な役割だと思っている。
これを楽しみにしていたワイズさん。
tochikoの手ほどきで焚火興しが始まった。
陽が傾きはじめた奥物部の森は
どんな風景を見せてくれるだろうね。
膝まづくときの土の香きのこの香 青柳照葉