「急に涼しくなったね」
登り口の気温は19℃。
私は何と言っても吸血虫が
いなくなったことが嬉しい。
◆歩き出す
静かないつもの林道は
樹々が痛んだ葉を落とし
冬の眠りの準備を始めたか
木洩れ日が多くなってきた。
「天気もいいし
稜線は人多いろうね」
◆道端のこと
「風が気持ちいい」
「木が大きくなって
林道を覆ったからね」
私たちが通いはじめたころ
日当たりがよかった林道は
30年を経て緑のトンネルになり
道端の植生も変わった様に感じる。
その木陰を好む秋の草花は
花穂を伸ばしはじめていた。
ウワバミソウのムカゴ。
そろそろ食べ頃になるなぁ。
◆変化のとき
上空の寒気の影響を受ける
沢筋を吹き抜ける風はなお涼しい。
秋の彼岸は暑さもおさまり
みのりの秋を迎える節だ。
この朝富士山の初冠雪が観測された。
人間は街の気温を上げられても
地球の気温を上げることは出来ない。
さあ秋に入る奥物部の森は
どんな風景を見せてくれるか。