宿坊で一休みの後
今日は台風の接近を考えて
頂上を目指さない道に入った。
◆修験の森へ
標高1100m奥の院から上がる
谷には幾つかの修験場があり
古く梶ヶ森は「加持ヶ峰」と呼ばれ
若い弘法大師が修行したと伝えられる。
「これはサンヨウブシ」
関東以西の亜高山の林内に生える。
トリカブト属の殆どは猛毒だが
サンヨウブシは数少ない無毒とされる。
「ここから
ガッと登るで」
山道は深く刻まれた谷筋を登り
佐賀山谷川の源流深く分け入る。
山頂部への最後の登りは急峻で
滝や大岩の修験場がある谷を横切り
アップダウンがあってこれも楽しい。
◆源流の森
攀じ登り息が弾む頃
山頂部に続く尾根を離れ
源流となる紅葉川の谷へ下る。
ここは紅葉の名所として知られ
この複雑に入り組んだ地形に残った
多種多様な草木が秋錦色に染まり
夏の陰影は
深山幽谷の趣を魅せてくれる。
◆空に出る
最後の階段を登れば
梶ヶ森頂上に続く稜線に出る。
「晴れちゅうで!」
北に空が開け
足早に雲が流れる空に出た。
よっし! 間に合ったな。
あら海や波をはなれて秋の雲 暁台