登り口の草花は雨粒を纏い
雨上がりの姿を見せてくれた。
自然の変化の風景は美しいものだ。
◆杉林のこと
山道は薄暗い杉林から始まる。
この人工林は登山道があるためか
間伐など比較的手入れがされていて
日陰を好む草木が根を張っている。
◆移ろうこと
節は秋に入り夏草は実を結び
秋の草花が可憐な花を咲かせていた。
この自然の営みは何千年も変わりは無い。
ただ人間は自らが住む環境を
改善し続ける習性があるようで
それは自然に沿ったものではないから
都市高温化は覚悟の上の結果だろう。
◆滝のこと
谷を溯る山道は自然林に入り
特にこの日は台風の接近もあり
いつもより風が抜け涼しく感じた。
山道は一旦谷へ下りはじめ
滝が水面を叩く音に包まれる。
山頂付近を源とする
落差20mを下る龍王の滝は
思ったより水量を増していない。
この山は原生の森を保ち
保水力があるからだろうな。
苔むした大岩を割って下る姿は
澄んだ空気に包まれた姿は
いつもより美しく感じた。
名は花にさだまる秋の小草かな 二柳