猿板

遊山黒子衆SARUの記録

梅雨明けの奥物部遊山 承

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 「涼しいですね!」

この時の気温24度は高度差と
寒気が上空に流れ込んだ結果で
異常なことでも何でもない。

◆空のこと
 登り口は一部空が開き
寒気により澄んだ陽射しが届く。
この地上と上空の温度差により
大気が不安定になることがある。

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 「いい風吹きますね」

私たちが通い続けるこの林道は
30年を経て樹々が成長し
緑のトンネルとなった。

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◆水のこと
 岩煙草が咲き始めた。

イワタバコ科の多年草
山地の陰湿な岩壁に着生し
煙草の葉に似る若葉は食用となる。

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幾つかの谷を横切る林道に
増水した雨水が流れ込んでいた。

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日本は年間8千億トンの雨で浄化され
大雨は肥沃な土砂を海まで運び
広い平地も時間をかけて形成された。

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今の日本地図は
水か造ったと言えるだろう。

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◆大地のこと
 「ここも吹いたねぇ」

 石灰層があるヒマラヤや
日本列島が海底から隆起したり
地球はダイナミックに変動している。

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それは人間の100年程度の寿命では
感じることが出来ない長い時間で動き
特に日本は隆起と崩壊を繰り返してきて
もちろん人の力でどうする事も出来ない。

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 「水の力は凄いねぇ」

この林道は元々無理があり
特に尾根筋には力も架かるきね。

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◆命のこと
 激しかった今年の梅雨を耐え
植物たちは次世代に命を繋ぐ。

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災害が多いこの島国では
自然に逆らっても仕方なく

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ただ頭を垂れて
生きるしかないんだろうなぁ。

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                 真清水の音のあはれを汲みて去る  黒田杏子