標高1400m見ノ越登山口は
登山リフトもあるが登る山道は
剣山を御神体とする劔神社から始まる。
◆分け入る
「蜂も頑張っちゅうで」
草紫陽花はユキノシタ科の多年草。
東北地方以南のやや湿った林に生息し
7~9月に白やピンクの花を咲かせる。
不浄なものの侵入を禁ずる
注連縄を潜り剣山の森に分け入る。
◆神の森
古代信仰の神は高き山にあるとされ
国生みの原点である淡路島から見て
最高峰である剣山は霊峰として
古くから認識されていたと言われる。
ユーラシアプレートの最前線にある
四国の山は厳しく随所に断崖があり
山頂に達することは容易なことではなく
人里離れ禁断の地とも思われていた
剣山の森は厚い信仰と共に生きてきた。
= 淡路から見る剣山 =
◆清流出流
剣山の広大な落葉樹林は
厚い土壌を造り降雨を蓄え
幾つもの川の源流となる。
また剣山は石灰の山で
複雑な地下水脈を持っており
山の自重により地下水も湧き出す。
夏の暑さの中にあってこそ
感じられる涼気がある。
水が豊富な山は涼しいものだ。
◆亜高山の森
山道は標高1600mを越えれば
亜高山帯高所に生ずる岳樺林に入る。
森が開く断崖から次郎笈が見える。
空の雲に大きな動きはなく
小屋まで天気は大丈夫そうだ。
谷から吹き上がる風から
森を護る樅の林を抜ければ
広く笹に覆われ視野が開ける
西島尾根の肩にあがる。
此あたり目に見ゆるものは皆涼し 芭蕉