標高400mほどの峠を越える朝
久しぶりの明るい日差しです。
これからはこの峠を下るとき
日の短さを感じるようになります。
四国カルストの放牧地では
ハンカイソウが咲きはじめました。
重い雲でも覗く青空は
涼気とともに清々しさを運んでくれ
ここから見える山の皺には
故郷の小さな集落が確認できます。
このカルストを水源とする梼原川
小さな沈下橋の下にある枯れ草は増水の跡でした。
水はただひたすら
高いところから低いところへ流れるだけ
逆らうことのできない自然のなりゆきです。
この川沿いに咲く合歓の花が
蛍の光のように灯っていました。
どの子にも涼しく風の吹く日かな 飯田龍太