稜線の森の終わりの山毛欅。
この木を過ぎればなだらかな
カヤハゲの山頂部にあがり
この木もまた道しるべとなる。
◆尾根の終わり
尾根道は森を抜け
少し北側を巻きはじめる。
ここは雪が吹き溜まり
雪庇が発達するから要注意。
「三嶺見えたで」
「こちらから見るのは初めてです」
土佐側から見る三嶺は
東西に尾根を張るどっしりした山容だ。
◆山頂に立つ
カヤハゲの山頂部は
かつて一面笹が覆っていたが
今はススキが笹に変わって
山の土壌を風雨から守っている。
土佐湾が見えた。
海に向かう山並みの果てに
桂浜がある竜頭岬が見えていた。
標高1720m
カヤハゲ山頂に上がる。
「剣は雲の中やねぇ」
ここは剣山地の真ん中で
ワイズさんが雪山を目指す
要になる場所だ。
ここから三嶺ピークまでは
忠実に稜線を追って1時間ぐらい。
今日はここまでにしよう。
次は山を変えてここを見よう。
その様に目標を場所を変えて見た方が
山域全体を立体的に捉えることが出来る。
◆口福のとき
カヤハゲ山頂は風があり
尾根を少し下って昼にした。
やはり腰を下ろす場所は
出来るだけ快適な方がいい。
メインはtochikoの里
檮原のキジ丼パック。
大切に育てた雉の旨味を
手切りの里野菜が引き立てる。
ワイズさんはデザート担当。
前の日から仕込んでくれた
チーズケーキとアップルパイは
おかわりしたほどの仕上がりだった。
◆かえり道
そろそろ帰ろうか。
次は白髪山からカヤハゲを繋ごう。
なぜ感覚で覚えた方がいいか。
例えばGPSや地図とコンパスでは
雪庇に埋まった尾根は解らないから。
冬期登頂を目指すのであれば
その山域に角度を変えて何度も通い
特徴的な木や岩を見て地形は感覚で捉え
自分の位置と道が見えなくてはならない。
先を急いで登っていたら
気づきが少なくなる。
だから無雪期はゆっくりと
自然を観察しながら歩くこと。
それが長生きの
秘訣だと思っている。
さあ 行くよ!
お地蔵様
新しい仲間もお守りください。
六月を奇麗な風の吹くことよ 正岡子規