天に向かって山法師が咲いた。
山野に自生するミズキ科の落葉高木。
6~7月小枝の先に白い花びらに見える
苞に囲まれた頭状花序をつける。
◆貴重な風景
標高1200m前後のこの山域は
日本における山毛欅の南限の一つで
一部照葉樹との混生も見られる。
三辻山から樫山峠に下る山道は
山頂から見えた雲にはいってゆく。
◆霧の道
広葉樹の落葉は
土壌を育て水を蓄え命を養う。
水は粒が非常に小さくて
水のまま空中に浮くこと出来て
それが大気に浮かぶ雲や霧となる。
また沸点は100℃なのに
風と弱い熱でも大気に帰る
水とは不思議な物質だ。
◆かえり道
そして水は雲や雨
雪や氷に姿を変えて
地球上の生物の身体も
水で出来ていると言える。
特に山紫水明四季折々の
日本の美しい風景の全ては
水が姿を変えた風景。
だから全ての生き物は
湿気が気持ちよく感じるのだろう。
◆鎮める
登り口に帰って
ちょうどお昼になった。
コロナ騒動で閉めていた
峠の直販所は開いている。
大変でしたね。
「いえ 仕方ないですよ」
またお蕎麦を頂きに来ました。
「まぁ! ありがとうございます」
雨が降ってきた。
また来るきね。
旅は日を急がぬごとく山法師 森澄雄