この奥物部の森での
私たちの最初の居場所は
長笹谷に流れ込むヌル谷にある。
◆ヌル谷のナロ
落盤帯に流れ込んだ谷水が
長年かけて運んだ土砂が積もり
この森最大の平坦地を造った。
昭和の頃に営林署は
この広大な平坦地を駐車場として
三嶺への登山口にしようと計画したが
バブル崩壊と共に流れていった。
「今年はバイケイソウの
花が見れそうやね」
人には有毒な草は
梅に似た美しい花を咲かせる。
◆腰を下ろす
夕食には早いき
一杯やって昼寝しょうや。
tochikoが今期観察している
コガラの巣のヒナはまだのようで
しばらく撮影していたが
森の時には勝てなかったようだ。
この森には街と違う
穏やかな時間が流れている。
◆日暮れ頃
日が傾きはじめ
夕食の支度にかかった。
そうそう
これがないとはじまらない。
此あたり目に見ゆるものは皆涼し 芭蕉