杖塚から賽の河原に向かう
山腹を横切る山道をとった。
ここは南斜面で日当たりも良く
ほぼ水平移動で関節にも優しい。
◆雑木のこと
この森の殆どは落葉樹で
まだこの時期は明るいが
夏は鬱蒼とした風景になる。
◆芽吹くこと
午前の斜陽に
芽吹いたばかりの若葉が輝く。
「馬酔木が咲いたね」
なかには気の早い株もある。
全てが同じでは
地球のダイナミックな変動で
生き残ることが出来ないのだろう。
◆大きな岩のこと
南回りコースの展望所
ヒノキ屏風岩で腰を下ろす。
この石英の多い大岩は
眼下の鏡川の流れの彼方に
太平洋を望むことが出来る。
今日は特に山麓から
吹き上がる風が気持ちよかった。
◆清流出流こと
山道が下りはじめれば
賽の河原と呼ばれる渓へ降りる。
ここは高知市の水源「鏡川」の源流で
今日は水量を増した澄んだ水が流れていた。
「グッ グッ・・・ グッ」
ゴタ(ヒキガエル)が鳴き始めた。
この春産んだ卵を守るため
岩陰で「あっちへ行け」と鳴いてる。
「かわいいねぇ」
蟇(ひきがえる)誰かものいへ声かぎり 加藤楸邨