南の頂からほどなく
工石山最高標高1170m
北の頂に辿り着く。
◆山頂のこと
ここも雲の中にあるが
風もなく静かで気持ちがいい。
工石山は家から3時間ほどで
亜寒帯の頂に立つことが出来る。
「工石は気持ちいいね」
この山はそれぞれに合わせて
穏やかな傾斜の整備が行き届いた
様々なルートを選ぶことが出来る。
◆稜線のこと
太平洋プレートの沈み込みで
海から隆起した四国南部高知県は
短い距離で標高を上げ平地は乏しいが
複雑に入り込んだ地形があり
南から温かい雲を受け
日本屈指の降雨に恵まれ
亜熱帯性から亜寒帯性まで
豊かな植生が生きている。
そんな工石山には
アカガシとブナが並んで生える
暖温帯と冷温帯の樹木の混生林があり
日本列島のブナの南限の一つとなる。
◆かえり道のこと
帰り道すがらいつも昼にする
赤良木園地に立ち寄ったが
やはり雲の中で何も見えない。
でもこれも一期一会
今日はむしろ快適に歩けた方が
気持ちよく感じた遊山だった。
さて 下ってお昼にしょおか。
◆温まること
お昼は峠の隧道口にある
いつもの直販所に立ち寄った
ここの山菜蕎麦は400円
具が3個のおでんが100円って
値段上げてもいいんじゃないですか?
「高速が抜けてお客さんが減ってね」
にっこり笑って答えてくれた。
そうですよね。
昔は嶺北に抜けるのは
この道しかなかったもね。
でも私たちはまた
この蕎麦を頂きに来ますから。
寒雲の影をちぢめてうごきけり 石原八束