風が強くなってきた。
ここはもうすぐ雲に覆われるだろう。
ここで昼は楽しくないから少し下ろう。
◆見定める
何組かのパーティーが
しゃがんだり風を避けながら
山頂付近でお昼を摂っていた。
なぜそれほど頂上に拘るのか?
◆物見遊山の心
刀掛けの松に降りた。
もちろん誰もいない。
今日は北風が上空に吹き上がり
広場は殆ど風の影響を受けない。
他の価値観を否定はしないが
ここなら白い山頂を眺めながら
気持ちよくお昼出来るのになぁ。
私達は居心地のいい処が頂だ。
山麓から強い風が吹き上がり
雲は毛羽立ち森から雪煙が上がる。
これも天気が変わる前兆で
上は風が強く寒いだろうなぁ。
◆かえり道
私達が昼を終えたころ
山麓から暗い雲が湧き上がってきた。
今日の登り始めは
いいタイミングだったなぁ。
そろそろ降りようか。
今まで降って溶けてを繰り返した雪は
2月に入って積もりはじめた様に感じる。
山の水の殆どは太陽熱が温めるため
気温のピークより遅れて9月位が最も温かく
冬は2月ごろが最も冷たくなるが
今年は雪が少なく遅れるかもしれない。
そして元々温暖な海洋性気候の
日本の冬は大陸の寒気に影響されるから
こらから3月末頃の「花冷え」過ぎても
冬期装備は必要かもしれないな。
見ノ越登山口で車に乗って間もなく
谷から剣山に向かって雪が舞い上がり始めた。
やはり剣山は神の山なんだろう。
青空をしばしこぼれぬ春の雪 原石鼎