この日もうひとつ
友人のギャラリーに立ち寄った。
ここも私達の街の居場所なんだろう。
◆肌が合う
「今年初めてじゃない?」
いつもここのオーナーとは
商売そっちのけの長話になる。
蝋梅が咲きましたね。
◆買わない買い物
「そのものに合った
使い方をしてくれるから」
いやいや
いつも文句ばかりですいません。
でも注文をつけるほど
職人の技は本物になると思っている。
お客の注文で決まった寸法も多く
だから買わない買い物も大切だろう。
◆顔が見えるもの
そんなギャラリーで
シンプルで丁寧さを感じる
青磁の珈琲カップが目についた。
飲み口が口当たり良さそうですね。
「今日はその職人さんの
金継ぎ教室があるのよ」
堅田貴治さんは京都での修行を経て
帰郷し高知市春野町で作陶していると言う。
この縁取りは何ですか?
「それはふせ焼きと言って
同じサイズのお皿に伏せて
焼き上げる技法なんです」
薄く仕上げたい焼き物でも
取っ手の重さでゆがむことがなく
底も釉薬でなめらかに焼き上がる。
そしたら光を透かすような
磁器のジョッキが出来ますか?
「いいですね!」
また一つ良い出会いを頂いたようだ。
臘梅の光沢といふ硬さかな 山上樹実雄