北面を葛籠折れに登る山道は
カヤハゲから下る尾根に乗る。
ここまでのなだらかな勾配は
尾根に忠実にあがる登山道になる。
◆見定めること
北からの風が強くなり
雪は一晩分でこれ以上増えないだろう。
ここで引き返そうか。
山は来てみないと解らない
思い残すより思い切る。
Bestよりbetterが次の意欲に繋がる。
さあ飯!飯!!
◆温まること
ヌル谷まで引き返し
東屋を借りて昼にした。
餅でアンチョビのピザかぁ
こんな手もあるんだねぇ。
知恵も持ち寄る。
価値観の違いも楽しいものだ。
◆帰り道
そろそろ帰ろうか。
さあ 温泉入ってウチで宴会だぁ!
山の共同装備は皆で持ち寄り荷揚げるが
各自の体力、体調により負担を分かち合う。
私たちの山歩きは
「弱者保護」と「持ち寄り」
それをこれからも続けてゆく。
◆歩み始める
林道に上がったら
流れる雲が開き青空が見えた。
稜線は雪が少ないし風も強いから
今日は日帰りで正解だったと思う。
今回四国に流れ込んだ1500m0度の寒気と
太平洋の湿った空気が作った雲が層になり
奥物部の森を覆い1200m以下は雨
それから上は湿った淡い雪と霧氷を作った。
そしてゆっくり発達した南岸低気圧が
昼前ぐらいから雲を引き込みはじめ
風が強まり帰りには冬青空も見せてくれた。
こんな条件が重なった静かな変化の風景は
なかなか出会えるもんじゃないと思う。
百回に一回、千回に一度の風景に出会うには
やはり通い続けるしかないのだろう。
さあ 仲間たちよ
次はどこに行こうか。
冬の雲なほ捨てきれぬこころざし 鷲谷七菜子