この日降りられる山神様と
私達も下山を共にすることとした。
一緒に降りるの初めてですね。
◆下界へ帰る
一番の仕事は「道直し」
と仰る山神様は50年以上
剣山の自然を見つめてきた。
◆確かな足取り
私は山神様の足さばきが好きだ。
無駄が全くない軽い足さばきは
私は未だに真似が出来ない。
雪の中ご一緒させて頂いた時も
重荷を背負った時も全く変わらない。
熟練とは反復により力が抜けること。
これが50年の経験なんだろう。
◆見据える
「まぁ こんな年もある」
と今年の雪の少なさを語る。
私の30年の山道を考えても
無雪の正月は半分ぐらいかな。
「木も笹も寒かろう」
物理学の発見の殆どは自然観察。
山神様が長年山を見据え積んだ経験は
正に自然科学そのものだと思う。
◆頭を垂れる
そして山神様はこの大自然に
恐れも畏敬の念を持っておられ
そこから親和の情が生まれている。
「お茶でも呼ばれろや」
山神様 明けましておめでとうございます。
まだ学ばなければいけないことが沢山あります。
これからも末永くよろしくお願いいたします。
木も草もいつか従ひ山眠る 桂信子