白髪山登山口の標高は1400m。
1770m山頂まで歩高差は少ないが
冬本番になると降雪に阻まれ
ここまで車の進入は難しくなる。
◆登り口
しかし白髪山の魅力は
冬にあると私は思っており
初雪を聞き上がっておく事とした。
◆亜高山の森
「暖かいね」
今日は天気もいいな。
日当たりがよい南斜面を登る山道は
標高が高く山毛欅と岳樺の混生林から始まる。
カバノキ属のなかでも特に
高山や北地の山地に生えるダケカンバは
陽樹の先駆樹種で明るく開けたところに
一斉に芽生え純林を形成することが多い。
◆人の関わり
「笹の音が懐かしいね」
かつて奥物部の広大な自然森は
このような笹床に覆われていた。
「ひどいねぇ」
25年位前旧営林署が設置した
環境省規格の木段は放置され
水の流れで掘れ剥き出しとなり
今では障害物になっている。
『これで歩きやすくなるよ』
当時この木段工事の作業員が
私達に語ってくれた優しい心は
真逆の結果になってしまった。
◆尾根に立つ
山腹を横切る山道は
白髪山の南東尾根に出て
剣山に延びる尾根が見える。
「剣はまだ白いね」
あっちの方が
よく降ったようだな。
寒禽の取り付く小枝あやまたず 西村和子