下草を失った斜面を横切る
フスベヨリ谷への下りは諦め
南斜面にある古の山道に入る。
◆森の奥へ
「Tommyさんはまだでねぇ」
お昼の為に私達が向かった場所は
殆ど人が通らなくなった道にある
奥物部の森の私達の居場所の一つ。
◆杣道
この道はかつて炭焼きなど
杣人の道だったと里の古老に聞いた。
ここまでは現在の最深集落でも
一日以上かかる山の奥にあり
杣人はここに掘立小屋を建て
寝泊まりしていたとも聞いた。
◆欅迫
「さあ 着いたでぇ」
ここは深山の谷のせばまったところ
南斜面にある谷の源流でもあり水が湧く
杣の寝泊まりにはいい場所だったろう。
「ここがえいろう」
◆口福のとき
先の焚火跡がある
倒木の間に荷を降ろした。
和宏さんとTommyさんの
口福がはじまった。
きっとここで杣人も
ちびりちびりと酒を飲んだのだろう。
「これでも食べよりや」
いい肴をありがとうございます。
食べ物も風景も旬を好んだ
日本人に生まれて良かったと思う。
岨(そば)行けば音空を行く落葉かな 太祇