「もう34年やったきねぇ」
近所の馴染みの喫茶店が
今月で店を閉めるという。
◆喫茶カモシカ
「急に決めたきごめんよ」
いえいえ定年と言うことでしょう。
「常連さんに申し訳ないけんど
身体もしんどうなったしねぇ」
◆変わること
いわゆる街の喫茶店が
いま繁華街や住宅地から
次々と姿を消していると言う。
コンビニの100円珈琲や
大手チェーン店の影響と言われるが
本当にそれだけだろうか?
出勤前に新聞を読みモーニングを食べ
送り出した主婦たちが集まりお喋りする。
そんな「ゆとり」や「繋がり」が少なくなった
生活や社会の変化も影響している様に私は感じる。
◆温かい場所
「家賃あったら
しんどいでぇ」
そうかもしれんねぇ。
朝早くから仕込む
ここの450円のモーニングセット。
この出汁が効いた味噌汁は美味しかった。
長年ゆで卵を割ってきた
テーブルももうすぐ定年
また一つ昭和風情がなくなるかぁ。
◆心を交わす場所
「ちょっとやけど
お裾分けをもろうて」
あっ ありがとうございます。
「サンキューです」
ありがとう。
お母ちゃん美味しかったで
またどこかで会えるでね。