大栃の根元で休憩のあと
カヤハゲの山道を歩きはじめる。
ここも土壌の流出が止まらない様で
道が解らない箇所が増えている。
◆倒木のこと
「これは前回なかったね」
30年以上ここを歩いているが
これ程の頻度での倒木を見たことがない。
笹床を失った森はこれからどうなるのか?
◆古い道のこと
三嶺への山道を離れ
古い杣人の道へ分け入る。
ここも十年くらい前までは
深い笹藪の中に道があった。
◆森の奥座敷
知り合いの里人が
かつて炭焼きが住んでいたと言う
深い森の平地に辿り着く。
ここは日当たりがいい
南西斜面にあり水も湧く
杣人が住むにはよかったと思う。
◆腰を据える
ここに荷物を置いて
森を散歩する予定だったが・・・。
「もうここでいいでしょう」
そうだよね今宵は満月。
薪を焚いて熾火をつくり
宴の準備をはじめよう。
私たちは
気持ちいい場所が頂だから。
なめらかに煙伸びゆく焚火かな 阿波野青畝