「烏瓜の花やねぇ」
久しぶりに見た烏瓜の花は
夕方に咲きはじめ朝には萎む。
早起きは三文の得やな。
◆夏の花咲く
奥物部の森に分け入る
西熊林道に朝陽が差しはじめる。
夏山シーズンに備えてだろう
林道の落石のほとんどは除かれていた。
こちらにはキツネノカミソリ
何とも妖しげな色と形だよなぁ。
◆風の森へ
いつもの登山口に車を置き
夏山シーズンに入っても
静かな奥物部の森に分け入る。
今日は台風が運ぶ南の空気のせいか
少し蒸し暑いが風があり吸血虫はいない。
二酸化炭素とアンモニア臭で
生き物を見つける彼女らは
風があるとそれが解らない。
◆ザレ跡を渡る
「また崩れたねぇ」
昨年治した箇所の先が崩れていた。
「子猿は危険かなぁ?」
確かにここから落ちたら大変だ。
しかしこれを繰り返し
河口に平地が形成されるように
盛り上げてしまった地形を崩したりして
自然は常に姿を変えている。
そしてこの水は海に流れ込み
雲となりふたたび山に帰ってくる。
山が海に迫り災害が多い日本は
人が地形を「旧に復する」のではなく
自然がやってきたように崩し
均していくのが良いのではないか。
起ち上る風の百合あり草の中 松本たかし